意外と解説書の少ないお正月マナー。「お正月飾りはいつからいつまで?」や「義実家に訪問する際の服装は?」など、ちょっとしたことが分からないこともよくあります。
今回は、お正月飾りの期間・おせち料理と訪問や初詣のマナーまでをご紹介します。
お正月の由来は?
お正月には、新年の神様(年神様)が家々に降りてきて、その年の幸福や豊作などを授けると言われています。
本来のお正月行事の多くは、新年の神様を迎えるために行われるものです。
門松やしめ縄などのお正月飾りも、そのうちの一つです。
以下に、お正月飾りの期間を解説します。
お正月飾りの期間は?
本来、お正月飾りの期間は、12月13日から1月7日までとされています。
なぜなら、お正月準備は、12月13日(正月事始め)から始められるためです。
そして、門松やしめ縄などは、1月7日(松の内)が終わったらお納めします。
今日では、クリスマスのイベントなどもあるため、12月末から1月7日までがお正月飾りのベストタイミングでしょう。
お正月飾りをする時にさけたほうが良い日は?
お正月飾りにおいて、29日と31日は避けたほうがよい日にちとして知られています。
なぜなら、29日は「苦」を連想させ、31日は「一夜飾り」として好まれていないためです。
お正月飾りをするときは、12月13日〜28日、30日に飾るようにしましょう。
お正月飾りを外す日は?
本来は、門松やしめ縄などは1月6日夕方に外し、7日朝に燃やすことが習わしです。
1月14日・15日の、新年の神様を送り返す「どんど焼き」までに神社に持参するのもよいでしょう。
また、鏡開きに関しては一般的に1月11日とされています。
鏡開きとは、お供えしていた鏡もちを下げて、お汁粉や雑煮として頂くことです。
ちなみに、お正月の門松を立てている時期を「松の内」、門松を取り外すことを「松納め」、松納め以降を「松明け」と言います。
おせち料理の由来は?
おせち料理は、神様に供える節句の料理が起源とされています。
おせち料理には、大晦日に神様にお供えした料理を頂いて、新しい力を授かるという意味があります。
そのようなおせち料理の背景を理解した上で、以下におせち料理のマナーをご紹介します。
おせち料理を食べる時のマナー
今日のおせち料理では、三段重ねの重箱が一般的です。
お重は、上の段から、「一の重」「二の重」「三の重」と名付けられています。
おせち料理を食べるとき、「一の重」から順番に頂くことがマナーです。
「一の重」は、「祝い肴(さかな)」とも言われ、数の子、黒豆、昆布巻きなど、酒の肴になる料理が多いとされています。
ただし昨今は、重箱の内容に差をつけないようとする配慮から、上記の通りにならないこともあります。
ちなみに、本来おせち料理の重箱は四段とされていましたが、現在は二段や三段のものが主流です。
おせち料理それぞれのいわれは?
おせち料理にはそれぞれの料理にいわれがあります。以下から解説します。
代表的なおせち料理のいわれ
- 黒豆:まめ(真面目)に過ごせるように
- 数の子:子宝や子孫繁栄を願う
- ごまめ・田作り:豊作を願う
- 昆布巻き:「よろこんぶ」から家の繁栄を願う
- きんとん:小判の黄金色に見立てたことから、財産が増えることを願う
- 伊達巻き:卵は子孫繁栄の象徴。「巻く」は仲睦ましいことを表す
重箱それぞれの内容
- 一の重:数の子、黒豆、紅白蒲鉾、田作り・きんとん・伊達巻きなど
- 二の重:鯛・ぶり・くるまえび・いかなど
- 三の重:ハス・にんじん・やつがしら・たけのこ・昆布巻きなど
お正月に訪問する際のマナー
訪問するときは、元旦を避けた松の内の間に挨拶へ伺うようにしましょう。
お世話になっている双方の実家や親族、上司や仲人へ、旧年中のお礼と新年の挨拶をすることを、年始回りといいます。
以下に、年始回りをするときのマナーをご紹介します。
【男女別】訪問するときの服装
男性はダークスーツ、女性は色無地の着物か訪問着のお正月らしい改まった装いが無難です。
スーツやワンピースなどの洋装でも構いません。
夫婦で訪問する際には、2人の釣り合いが取れるようにしましょう。
子どもがいる家庭にお年玉はいくら包めばよい?
子どもがいるご家庭にはお年玉を準備しましょう。
金額は子供の1ヶ月分のお小遣いが目安。
お年玉は年下の子どもへ贈るご祝儀のため、新札を用意しポチ袋に入れて渡します。
あらかじめ、お年玉の金額について親族や親同士で話し合っておくこともおすすめです。
また、思いがけず子供がいたときのために、お年玉用のポチ袋を多めに用意しておくと慌てずにすみます。
初詣にお参りする期間は?
今年一年のご利益を祈願するために、新年初めて神社や寺院にお参りすることを初詣といいます。
元々初詣は、陰陽道でその年の吉方にある神社にお参りする「恵方参り」がよいとされていました。
ただし今日では、場所にこだわらず参拝することが一般的になりました。
以下に、初詣をするときのマナーをご紹介します。
【神社・寺院別】参拝の方法
神社で参拝するときのマナーは、手水舎(ちょうずや)で手や口を清めた後、賽銭を納めて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼。
寺院で参拝するときのマナーは、賽銭を納めて一礼し、合奏したのち、再度一礼。
神社と寺院では参拝のマナーが異なることを覚えておきましょう。
前年度の縁起物はどうしたらよい?
初詣で求めた、お札や絵馬などの縁起物は、家の神棚や鴨居(かもい)などに飾ります。
前年の縁起物は、初詣の時に神社にお納めするとよいでしょう。
参考文献
今回参考にした書籍は以下です。
こちらは分厚いですが、正式なマナーを詳細に知りたい場合に大変おすすめです。
家に一冊あると、安心かと思います。